前回はCSについてご紹介させていただきましたが、CSを向上させるにはESを向上させないといけないという話も有名です。
ESとは従業員満足度の事であり、従業員の満足度を高く維持する事ができれば従業員のモチベーションアップにも繋がり、業務効率や業績アップに繋がるとされています。
従業員の満足と言っても1人1人その理由は様々なので一概には言えませんが、責任や賃金、福利厚生、職場環境、人間関係といった事が満足度に影響する事が多いです。
今回はそんなES従業員満足度についてご紹介させていただきます。
CSについてはこちらをご参照下さい。
目次
ES従業員満足度とは:満足度が上がる事で得られるメリット
ESはEmployee Satisfactionの略で、日本語で従業員満足度という意味です。文字通り従業員の満足度を指し、ESが高ければたくさんのメリット生まれます。
- 社内のコミュニケーション活性化
- 従業員のモチベーションアップ
- 離職率が下がる
- 業務効率が上がる
- 生産性が上がる
- 企業評判が上がる
ざっと並べてみてもたくさんあります。
ESが向上する事でデメリットに繋がる事は無く、メリットしか生みません。となるとESを向上させるべきですよね。
ところがESを向上させる事は簡単な事ではありません。簡単に出来るならどこの企業もESが高いはずですよね。
地図を持っていても現在地が分からなければどうする事も出来ませんのでまずは自社のESがどのレベルにあるのか知る事が大切です。
ES従業員満足度とは:自社のESを知る為に
自社のES調査を行う上で重要なのが従業員に対して行う質問の内容です。一般的にはアンケートを配り、記入して回収する事が多いです。
ESの向上を掲げて取り組む事であれば従業員も協力してくれるでしょう。
自社で取り組む場合は以下の項目を重点的に調査すると良いでしょう。
- 会社への満足度
- 仕事内容の満足度
- 職場環境の満足度
- 賃金・福利厚生の満足度
また、一過性のものでは意味が薄れてしまいますので、毎年●月に調査するといった様に定期的に行う事で改善を図っていきましょう。
初めてES調査を行う場合
自社でES調査を行っても問題ある訳ではありませんが、初めてES調査を行う際はノウハウが無いので個人的には経費を使ってでもES調査を専門としている企業に依頼する事をオススメします。
ES向上への取り組みはそれだけ重要な事であり、間違ったやり方で実施してしまっては元も子もないからです。
ES従業員満足度とは:ES向上への取り組み
自社の分析ができれば自然と弱みが分かってきます。
いきなり全ての項目について改善を考えるのでは無く、計画を練って特に顕著となって表れている部分から優先的に取り掛かりましょう。
仕事内容の満足度
- 職務、役職に合った業務に就いているか
- 責任だけが付いて回っていないか
- 簡単な仕事しか与えられていない
- 業務量は適切か
- 自分の意見を提案できる場があるか
- 会社目標、思想を共有出来ているか
これらが影響してくると言えるでしょう。
特に低年次の社員程、仕事の内容を自分で選ぶ事が出来ないケースが多いので不満に繋がる事も多いです。
また、業務量が多ければその分時間外労働にも繋がってしまい、会社的にも悪循環となってしまいます。
職場環境の満足度
これは個人的な意見ですが、職場環境は所属長といった上席の方の影響が大きいと思います。
所属長は部下が働く職場の環境を整備するといった事も大切な仕事の一つです。部下の事を知り、良いと思った事は言葉に出して褒め、逆にダメな事は叱ってあげる。
部下を守り、引っ張っていき、例え目上の方であろうが対立した意見はしっかり言える。そんな上司は部下からの信頼が厚いでしょう。
また、職場環境は人間関係だけでなく、パソコンや工具といった仕事道具から机やイスなどの備品といったハード面の事まで関係します。
ヒト>モノ>カネ
という言葉はよく聞きますが、新しい備品を購入したとしても大切なのはそこで働く人が使いやすいモノなのか。
設備や備品を新しく導入する際は、そこで働く直接員の意見にしっかりと耳を傾けましょう。
賃金・福利厚生の満足度
従業員は良くも悪くも他社との比較をしてしまい、その結果自社の優れている部分よりも劣っている部分に目がいってしまいます。
隣の芝生は青く見えるとはこの事ですね。
大切なのは同業他社と比べて客観的に見た時に違う部分はどこかという点。
賃金は一度上げてしまうと下げる事が難しい為に敬遠しがちですが、賃金を上げる事でモチベーションに繋がる部分も少なくありません。また、採用時に基準となりやすいのも賃金ですが、収益とのバランスが重要です。
また、交通費や被服関係、会社行事といった福利厚生の部分も満足度に影響してきます。
ES従業員満足度とは:FSの考え方
ESを考える延長線上にFSという言葉があり、CSはESから。ESはFSからとも言われています。
FSとはFamily Satisfactionの略で、文字通り日本語では家族満足度という意味です。
旦那さんが、奥さんが、息子や娘がこの会社に勤めて良かったという従業員満足度を超えた従業員の家族の満足度という事でESの究極の形と言えるでしょう。
家族から見た満足度のポイントは
- 休日がしっかり決められている
- 時間外労働が少ない
- 福利厚生が充実している
- 人間関係が良い
- 賃金が良い
これらの項目が影響し、特に身内の身体的負担に対する休日や時間外労働と言った部分に左右されるケースが多いです。
転職を考えている方へ
今回は会社や企業向けにESについてお話させていただきましたが、もしも転職を考えているのであればこの従業員満足度が高い会社を候補に入れるのも一つの手段だと思います。
ESが高ければコミュニケーションが活性化され、社員同士が協力、切磋琢磨し合ってモチベーションが上がり、自身の成長にも繋がると思います。
従業員満足度が高い会社を無料で調査してくれるサービスもあるので気になる方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
さいごに
ESについて簡単に紹介させていただきました。CSやESといえば有名なのはディズニーランドの話ですね。
ディズニーランドのキャストは誇りを持ち、モチベーションが高く、お客様に感動を与える事が自身の喜びでもあるんですね。ディズニーランドだから出来る事かもしれませんが、ここから学べることは多いはず。
理想のモデルですが、ESを向上させる事で個々の従業員が愛社精神を持ってモチベーションを高く維持し、それがCSやFSを向上させる事に繋がり、やがて業績や企業イメージとなって還ってくるという事ですね。
正に「言うは易し行うは難し」だと思います。
この記事を読んでくれた方が経営側の人間であればこの「ES」について、是非頭においておいて下さい。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。