POP(ポップ)ってご存知ですか?中にはピーオーピーと読む事もあるようですが、身近でいえば店頭で表示されている大きな値札や期間限定を謳ったポスターなどが該当します。
私の様なブロガーでいえば目を引くキャッチコピーのようなものですね。
例えば
- 商品A:大特価!298円!
- 商品B:通常350円のところ、本日限り298円!
AとBの商品どちらがユーザーの購買意欲を向上させると思いますか?
多くの人は商品Bの方が「今日買わなきゃ!」と購買意欲を掻き立てられると思います。
このように作り方一つでユーザーの購買意欲を大きく左右するのがPOPです。
今回はそんなPOPについて効果的な作り方や注意すべきポイントを紹介させていただきます。
目次
効果的なPOPの作り方:POPの役割
単純に店内の装飾、飾り付けといったものがPOPだと思われている方もいらっしゃいますが、まずはPOPの役割を理解する事から始めましょう。
そんなの知ってるよ!という方も認識の違いがあるかもしれません。
- 商品の魅力を分かり易く紹介する
- ユーザーの購買意欲を掻き立てる
主な役割は上記2点となります。
①商品の魅力を分かり易く紹介する
商品のどんな機能がオススメなのか、買うとどんな良い事があるのか。
ユーザーの知りたい・行きたい・したい・買いたいの4つ行動欲求(マイクロモーメント)を併せて考える事でより効果的なPOPをつくる事が出来ます。
マイクロモーメントについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考下さい。
②ユーザーの購買意欲を掻き立てる
例えば
- 目玉商品である
- 期間限定品である
- 通常価格からの値引き
といったお買い得感を演出する事でユーザーの購買意欲を掻き立てる事に繋がります。
商品の魅力と併せて訴求する事で効果は大きくなります。
効果的なPOPの作り方:誰に見せるのか考える
まずPOPを作る前に、その商品を買ってくれるであろうユーザー像を考えます。この架空のユーザー像を細かく設定する事をペルソナ設定といい、マーケティングを行う上で非常に重要な考え方です。
例えば売りたい商品がエントリーモデルの釣竿の場合は「釣り経験の少ない人」、そこそこ値段のする釣竿の場合は「釣り中級者」、高価な釣竿の場合は「釣り上級者」といった様にそのPOPは誰に見せる為のものなのかを考えます。
もちろん釣り初心者が高価な釣竿を買うケースもありますし、釣り上級者がエントリーモデルの釣竿を買うケースもあるので一概には言えませんので上記の場合は少々極端な例になりましたが、売りたい商品の購入ユーザー層を考える事が重要です。
効果的なPOPの作り方:やってはいけない事
次に、POPを作る前にやってはいけない事を頭の片隅においておきましょう。
- 一つのPOPに対して一つの商品
- 文字を詰め込み過ぎない
- 専門用語を使わない
最低限、上記3つに関しては注意したい点として覚えておきましょう。
①一つのPOPに対して一つの商品
一つのPOPに二つ以上の商品を紹介する場合。商品比較であったり、ユーザーの意思で選択させるのを目的としたPOPであれば問題ありませんが、例えば
- 商品Aがオススメ!
- 商品Bもオススメ!
- スタッフオススメの商品C!
と書かれたPOPがあったらどう感じますか?
結局どれがオススメなのか分かりませんよね。こういったPOPは購入を迷っているユーザーに対して更に迷わせてしまう要因になり兼ねません。
②文字を詰め込み過ぎない
人間は87%の情報を「視覚」から得ています。という事はインパクトのあるPOPを作ってユーザーの購買意欲を掻き立てるのは有効な手段です。
ところが文字を詰め込み過ぎて見るのが辛いPOPとなってしまっては本末転倒です。
出来るだけ情報を簡素化し、本当にオススメしたいポイントをいくつかに絞ってPOPを作成しましょう。
③専門用語を使わない
業界用語とも言いますが、これに関しては知らず知らずのうちに結構使ってしまっている方が多いです。
例えば購入ユーザー像が「釣り初心者」なのに、
・軽くてキャスティングが楽々!バックラッシュもしない!
というキャッチコピーがあっても釣り初心者からしたら訳が分かりませんよね。
キャスティングとはルアーを投げる事を指し、バックラッシュとはルアーを投げた後に起こってしまう糸絡みの事を指す為、この場合は
- 軽くてルアーが投げやすく、糸絡みも激減する!
というキャッチコピーの方が分かり易いですよね。
効果的なPOPの作り方:実際に作ってみる
まずPOPを作る時に「手書きで作る」のか「パソコンで作る」のか迷われると思います。これに関してはどちらもメリットがあるのでこちらが良い!と一概に言えません。
【手書きPOP】
- 温かみがある
- バリエーションが豊富
- PCのスキルに左右されない
【パソコンPOP】
- キレイに印刷が出来る
- 見やすい
- テンプレートとして保存できる
双方それぞれのメリットがあるので自分が作りやすい方で作成しましょう。
実際に釣り初心者の人を想定し、簡単に作ってみました。人間の習性としてインパクトのある部分にまず目線が行きます。
キャッチコピーに「釣り初心者の方に売れてます」と入れる事で釣り初心者の人への安心感を与える事が出来ます。注意したいのは実際には売れてないのにキャッチコピーで謳わない事。景品表示法の誇大広告に該当する場合がありますのでまだ売れていないのであれば「釣り初心者の方にオススメ!」などキャッチコピーを考え直しましょう。
商品横に簡単な説明文を添え、一例ではありますが、350mlの缶ジュースと身近にある具体的なものと比較すると分かり易くなります。
最後の決め手はやっぱり金額。通常価格を掲載し、期間限定での特価価格を掲載するとインパクト大です。金額記載時の注意点としては通常価格がそもそも3,980円なのに、いかにも特価だと思わせるようなPOPの作り方はNGです。景品表示法のおとり広告に該当します。
よくある注意点
POPの効果を考えるあまり、知らず知らずの内に景品表示法のルールに反するPOPを作ってしまっているケースもあります。これに関しては知らなかったでは済まないのでよくあるケースとして紹介させていただきます。
- 毎日「本日限り」
- 特価後の価格が通常価格
- 特価が掲載されているが、通常価格が分からない
- 実際の写真とPOPの商品写真が違う
- 効果、機能のあいまいな表示
後々トラブルとならない為にも自分の作ったPOPを第三者に見てもらうなどして対応しましょう。
さいごに
商品を売る為のPOPは店内で非常に重要な役割を果たします。私はPOPといえばドン・キホーテさんのPOPを思い出します。どんな仕組みで社内運用されているのか分かりませんが、どこのお店も統一感のある非常に特徴的なPOPを掲載されています。
POPについては作り方にコツはあっても、100%の正解はありません。POPを掲載した商品の売り上げが伸びればそれが正解という事になります。
POPを作る時にありがちな「自己満足」で終わるのではなく、より効果的なPOPとなるようにユーザーの目線で考え、作成していく事が重要です。
私が釣り好きの為に、釣り道具を例にしましたが商品POPを作る際に少しでも参考になれば幸いです。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。