最近ニュース等でよく取り上げられている子連れ出勤制度。この制度は文字通り職場へ子供を連れていける制度であり、一部では既に導入している企業もあるようです。
1年の育児休業を取得できたとしても子供はまだ1歳。夫、妻の給与だけでは暮らしていけない。保育園の申し込みに落ちた。等々、様々な悲鳴が聞こえてきます。
私の場合は田舎なので保育園に入れないという事はあまり無いんですが、それでも夫婦共働きとなると保育園までの送り迎えや、迎えの時間を気にして勤務したりと何かと大変です。こういったケースの場合、子連れ出勤が認められる職場であれば親としては魅力的です。一方で、他の従業員の方に少なからず迷惑を掛ける事になるので不安な面があるのも事実だと思います。
私なりに子連れ出勤制度導入に対するメリットとデメリットをまとめてみました。
目次
制度に対する疑問点
導入できる職種が限定される
私がまず思った事は、導入する職種が限られるという事。例えば飲食店等のサービス業の場合、接客中に子供が泣いてしまったらお客様に不快感を与えてしまう要因になり兼ねませんし、製造業でのライン作業者も現実的に無理があります。勤務先に託児所あれば問題ありませんが子連れ出勤の場合は業種は問わずとも職種については事務職等の内勤者に限られそうです。
労働災害(就業中のケガや事故)について
もう一つの疑問点として、労働災害(以下、労災)について。万が一、子連れ出勤時に職場環境が原因で子供がケガをしてしまったらどうなるんでしょう。
社員が就業中にケガ等を受傷してしまったり、職場の環境が原因で疾病してしまう事。通勤時の事故や過労等もこれに該当し、労災認定されれば労災給付を受ける事が出来ます。
そもそも使用者(会社側)は労働者の職場の安全確保に努めないといけない事が労働安全衛生法(労安衛法)で定められておりますが、子連れ出勤の場合、子供自体は労働者に該当しないと思われるのでケガをしてしまっても親の責任という事になるんでしょうか。
制度利用者はここまで考えていないかもしれませんが、もしもアナタが会社の経営者で子連れ出勤制度の導入を検討しているならば様々な観点から検討を重ねなければなりません。
使用者(会社側)のメリットデメリット
【メリット】
- 労働者の確保
- 企業イメージ
【デメリット】
- 制度利用者の業務効率減
まずメリットとして挙げられるのが労働者の確保。最近は売り手市場で、多くの企業が人材不足に頭を抱えている事でしょう。子連れ出勤制度を導入していれば企業イメージも良くなり、採用活動でライバル企業に差をつけることが出来るかもしれませんし、育児休業取得後の従業員も職場復帰しやすくなると思います。
デメリットとしては少なからず連れてきた子供のお世話が必要な事から、制度利用者の作業効率が落ちてしまう点。また、周りへの悪影響も出ないとは言い切れません。
制度利用者のメリットとデメリット
【メリット】
- 子供といられる時間が増える
- 保育所、託児所に預ける必要が無くなる
【デメリット】
- 子供優先となってしまう
- 周りへの影響
制度利用者のメリットとしては子供といる時間が増えるという点が1番大きいんじゃないかと思います。また、保育所に預ける必要が無くなるので子供に起こる出来事を身近で見る事が出来、安心感にも繋がります。
デメリットとしては業務中であったとしても子供が泣いたらあやさないといけませんし、ミルクの時間もあるのでどうしても子供中心の働き方になってしまいます。結果、同僚にも負担を掛ける事に繋がります。
私なりの考え
最近では時代の変化と共に男性社員の育児休暇取得率も上昇しております。夫が働き、夫が働いている間、妻が子供の面倒を見るという考え方は時代遅れであり、今では共働き家庭も珍しくありません。
個人的には職場の理解を得られるのであればすごく魅力的な制度だと思います。ただ、子供と言っても十人十色。日によってはほとんど仕事が出来なかった…。なんて日も当然のようにあると思います。会社としては導入したが、取得者がいないなんて事にも繋がりかねないので導入後の進め方の方が重要だと思います。
後はこの制度を政府が推すのは個人的には賛成し難いですね。どうしても限定的になってしまいますし、それならば周りの環境から整える等、もっと他にやるべき事があるんじゃないのとさえ思ってしまいます。あくまで会社が導入するから良いのであって、政府が推すのとは意味が違うと思います。
ちょっと批判じみてしまいましたが、制度を使う、使わないは本人の事由ですし、会社が導入するのは大変良い事だと思います。時代の変化が進んでいるとはいえ、男性社員である私の立場からするとやっぱり男性の育児休暇取得については申請しにくいものです。
例えば妻が体調不良の時なんかも妻の代わりに仕事をしながら子供の面倒を見るといった事も出来ます。
時代の変化は目まぐるしく、働き方もどんどん変化していっています。私の軽い頭の中の話なので、一人の父親の意見として参考にしていただければ幸いです。