前回はエクセルの初歩として便利な基本的機能を紹介させていただきました。
エクセルの便利な所は表を作ったりするだけでなく、データベースから関数を使って数値を出したり、足し算、引き算、掛け算、割り算といった数式を使う事でどれだけ大きな数字であっても一瞬で計算結果を出してくれます。
この関数や数式が使えるのと使えないでは作業効率が大きく変わってきますので簡単な関数だけでも覚えておいて損はありません。
前回の記事(エクセルの基本的機能)についてはこちらを参考下さい。
目次
エクセル初心者講座:基本的な数式
まずはエクセルの基本的な数式について。足し算や引き算といった計算がエクセル上でも自由に出来ますが、掛け算と割り算は記号が異なります。
算術 | 一般的な記号 | エクセル上の記号 |
足し算(加算) | + | + |
引き算(減算) | - | - |
掛け算(乗算) | × | * |
割り算(除算) | ÷ | / |
上記の通り、掛け算はアスタリスクで割り算はスラッシュとなります。
セルに=(イコール)を入力した後ろに数式を記述する訳ですが、全て手入力すると手間が掛かったり、記述ミスに繋がったりしますので基本的には下記の流れで数式を記述します。
- 数式を入れたいセルを選択する
- 「=」を入力する
- 値が入っているセルをクリックする
- 算術記号を入力する
- 値が入っているセルをクリックする
- エンターを押して確定
このように=(イコール)を入力した後に対象のセルをクリックするとB5セルであれば「B5」と自動的に記述されるので負荷軽減やミス削減に繋がります。
また、エクセル上では値Aと値Bを計算といった様に2つのセルだけでなく、上記の様にたくさんのセルを複合させて計算する事が出来ます。
上記ではセルの値がすべて10となっていますが、もちろん値を変更すれば自動的に計算をしてくれ、算数と同じで()内の値は優先的に計算します。
エクセル初心者講座:基本的な関数
次は関数について。関数とはエクセルの機能の一つで、予め用意されている数式の事を関数と呼称します。
基本的な使い方は数式と同様で「=(イコール)」から始まります。
上記の場合は値A~値Hを全て足し算するといった式ですが、数式で記述すると
=A4+B4+C4+D4+E4+F4+G4+H4
といった様に非常に長い数式となってしまいます。
こんな時に役立つのが関数なんですね。「合計」を求めたい時に使うのが「SUM関数(サム関数)」です。エクセル上で最も使われている関数だと思います。
SUM関数を使った数式は
=SUM(A4:H4)
となり、非常にスッキリしています。
よく見ると「:(コロン)」が使われているのが分かりますが、この場合のコロンはA4からH4という範囲を表す記号となります。
また、SUM関数の場合は上記の様にCtrlキーとマウスを使って別々のセルであっても合計を求めてくれます。
=SUM(A4:C4,E4:F4,H4)
この数式は「,(カンマ)」が使われていますね。この場合、A4からC4とE4からF4とH4という様に隣り合わない別々のセルを範囲に指定するという意味になります。
よく使う基本的な関数
SUM関数の他にも範囲を指定するだけで使用できる便利はたくさんあります。特に使う機会が多い関数を紹介していきます。
- SUM関数(範囲内の合計を求める)
- AVERAGE関数(範囲内の平均を求める)
- MAX関数(範囲内の最大値を返す)
- MIN関数(範囲内の最小値を返す)
- TRIM関数(選択したセルのデータ末尾の空白を削除)
- COUNT関数(範囲内の数値が入っているセルを数える)
- COUNTA関数(範囲内の何かしらのデータが入っているセルを数える)
- TODAY関数(”=TODAY()”と入力したセルに本日の日付を返す)
簡単に使えて、私がよく使う関数は上記の通りです。
どれも対象範囲を選択するだけで使用出来る非常に便利な関数なので覚えておいて損はないと思います。
エクセル初心者講座:数式、関数を使う上で便利な機能
数式や関数を使う上で知っていると作業効率が大きく上がる機能があり、中でも数式や書式のコピー機能は非常に便利な機能です。
例えば上記の場合、D6セルにはイチゴの購入金額「=B6*C6」と数式が入力されており、同じ様にメロンからマンゴーまで同じように数式を入れたい時にいちいち手入力していたら面倒ですし間違える可能性出てきます。
数式や関数をコピーしたい場合はコピーしたいセルを選択し、マウスカーソルをセルの右下に合わせます。
すると、マウスカーソルが「+」のマークに変わるので+マークになったらそのまま下へドラッグします。
この時、右クリックをしてドラッグする事でコピーする内容を決める事が出来ます。
セルのコピーは入力されている数式や罫線、塗りの色全ての情報がコピーされます。
書式のみコピーだとセルに入力されている数式はコピーされずに罫線や塗りの情報だけがコピーされ、書式なしコピーは罫線や塗りがコピーされずに数式だけがコピーされます。
また、6行目のセルは白色7行目のセルは赤色といった様に交互に塗りを入れている場合は6行目と7行目を選択し、右クリックしたままドラッグする事で交互に書式をコピーする事ができます。
今回の表で言えば、まずは6行目と7行目を選択し書式のみコピーを実行し、書式がコピーされた後にD6セルだけを選択し、書式なしコピーを実行すると一瞬でキレイな表が完成します。
この様に便利な機能の使う順番を考えるだけで効率は各段に上がりますんで自分なりのやり方を見つけてみると良いでしょう。
エクセル初心者講座:注意したい点
エクセルは使いこなせば非常に便利なツールですが、便利だからこそ不便に感じる部分も出てきます。
たとえば上記の様に数式の入ったF4セルをH4にコピーして貼り付けた場合ですが、F4セルから見て2つ右に貼り付けているという事で、貼り付けた数式を見ると数式の内容も2つ右にずれています。
こういったケースは貼付け時に右クリックから形式を値だけにして貼り付けるか、「絶対参照」を使う事で防ぐことが出来ます。
絶対参照とは対照のセルに$(ドルマーク)を付ける事でコピー、貼付け時にこのセルは動かさないという定義をする事が出来ます。
=$A$4+$B$4+$C$4+$D$4
数式で表すと上記の様な形で、A4セルの場合はAの前と4の前にドルマークが付いており、それぞれ意味があります。
- Aの前のドルマーク:コピー、貼付け時に「A(縦烈)は動かさない」
- 4の前のドルマーク:コピー、貼付け時に「4(横烈)は動かさない」
- 両方にドルマーク:コピー貼り付け時に「対象セルを動かさない」
といった様にドルマークの位置一つで貼り付けた時の結果が変わります。
今回はここまで
いかがでしたか?普段からエクセルを使っている人であれば知っている内容が多いと思いますが、ひょっとしたら知らなかった機能もあったんじゃないでしょうか。
エクセルは奥が深く、知れば知るほど便利な機能が出てきます。かという私も知らないだけで使っていない便利な機能はまだまだあると思います。
今回は簡単に使え、使用頻度の高い関数を紹介させていただきましたが、次回からは使い方はちょっと複雑だけど使うと便利な関数を紹介していこうと思います。
ExcelやWordといったオフィス系のソフトは独学で覚えるケースが多いと思います。独学でもある程度は使いこなせるようになるかもしれませんが、誰かに教えて貰う方がすぐに覚え、活用する事が出来ます。
なぜなら、ExcelやWordの初心者は質問したい内容が分からない事が多いからです。Google先生も優秀ですが、それは質問したい事がハッキリ分かっているという前提があっての話。
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