日本の就活文化が異常だと思った事のある人がどれだけいるか。恐らく大多数の方は特に何も感じないまま就活を始めたり、就職されているんじゃないでしょうか。
この日本の就活文化ですが、外国人の方からすると異常を感じずにはいられないようです。
今回はそんな日本の就活文化とその異常さについてご紹介させていただきます。
ただ、この記事を読んだからといって就活しなくていい訳ではありませんのでそこはご注意下さい。
日本の就活文化:就活スケジュール
日本の就活スケジュールとして、早い学生さんだと大学3年の終わり頃から動き、遅くとも大学4年の6月には動き出す事になります。
この就活のルールは今まで経団連が作ってきましたが、このルールが2021年つまりは来年から廃止する事が既に決定しています。
今後考えられる事
就活ルールが廃止されるとどんな事が予想されるか。
- 優秀な人材を採用したい企業の採用スケジュールが更に早まる
- 早期に就活をスタートする学生が増える
就活の早期化が想像できます。
では、就活が早期化するとどうなるのか。
- 学生では本来勉強する時間が無くなる
- 企業では採用担当者の負担が増える
特に企業では同じパイの中から採用する学生を選考するので他社よりも先に動こうとするはずです。
これではただでさえ大学生が4年課程から3年課程に時間を削られてしまっているのに、更に拍車をかける事になりそうです。
日本の就活文化:採用に対して慎重
新卒、中途採用に関係なく日本の企業の採用ルールは基本的に「慎重」に行っている所がほとんどだと思います。
何故かというと1度採用すると、”正当な理由が無い限り”解雇(クビ)する事が難しいからです。
就職先が決まるとその会社(使用者)と採用者(労働者)の間に労働契約が発生します。
【労働者】使用者(会社)に使用されて働く事を約束
【使用者】労働者の働きに対して賃金を支払う義務を負う
この労働契約は労働契約法といってきちんと法律で定められています。(詳しく確認したい方は厚生労働省のホームページをご確認下さい。)
先ほど企業側の解雇が難しいと述べたのはこの労働契約法第16条の中に解雇について記載されているからです。
(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用:労働契約法第16条より
合理的や社会通念上相当と難しく書かれていますが、客観的に見た時に一般常識レベルで通用するかどうかという事。
例えば
社員A:遅刻も欠勤も無く、至って真面目だが、容量が悪く、仕事も遅い
社員B:仕事はテキパキこなすが、遅刻や欠勤が多く、何度注意しても直そうとしない
上記AとBの2人の社員を解雇しようと思った時に果たして2人とも解雇出来るだろうか?難しいですよね。
本来、労働契約とは使用者と労働者が対等な立場であるはずが、入社すると使用者の方が力が強いですよね。
ただ、労働者も法律で守られており会社は正当な理由が無い限り社員を解雇出来ない訳です。
すると企業も採用に対して慎重になり、ここが海外と大きく違う部分となります。
では海外はどうなのか。
日本の就活文化:海外の採用事情
海外では多くの場合、使用者が労働者を簡単に解雇出来ます。
労働者にとって解雇とは自分の生活を揺るがす大きな問題ですが、使用者からすると「とりあえず採用」し、働かせてみる。
結果、会社にとって必要ないと判断したら解雇するといった様に採用に対して慎重にならなくていい訳です。
するとどうでしょう?
面談や面接といった選考をする必要も無く、とりあえず働かせてみて判断すればいい訳で、企業も簡単に採用を決める事が出来ます。
また、労働者にとっても仮に解雇されたとしてもまた別の会社ですぐに採用してもらえるので職に困るといった事はありません。
まずこの社会的な考え方が日本と大きく違っている訳です。
海外でのメリット
海外では日本での就職活動といった概念が無く、考え方が違うので海外では日本のように就職活動が長期間に及ぶといった事が考えられません。
就職活動が無いという事はどういうことかというと
- 学生は卒業までみっちり勉強出来る
- 企業は採用担当者なんて置かなくてよい
メリットしかありません。
そして採用してもらう際も自分の持っているスキルをまとめ(日本でいう履歴書)、「私はこういう人物でこんな事が出来るので私を採用して下さい」→「分かった。じゃあ明日から我が社に来てくれるかね」と早ければその場ですぐに採用が決まる訳です。
さいごに
いかがでしょうか。日本と海外の採用事情についての違いをお分かりいただいたと思います。
海外では優秀な人材が集まり、社員同士が切磋琢磨し会社も成長していく。一方で日本では優秀な人材が転職してしまい、ぬくぬくと仕事する社員が残る。すると頑張っている社員にしわ寄せが来てしまい、また転職者が増えると悪循環になっている。
もちろん日本の全ての会社がこうだとは思いませんし、海外と日本の採用事情についてもどちらが良いと一概には言えませんが違いがハッキリと表れているのは明らかです。
今現在日本では売りて市場と言われていますが、就職活動の期間は長く、決して就職が簡単という事ではありません。
ただ、日本のこういった就活文化を作ってしまったのも我々日本人だという事を忘れてはいけません。