以前紹介させていただいた、漫画「この音とまれ!」ですが、作中に登場するキャラクターが非常に魅力的であり、そんなキャラクターが発するセリフも身体をブルッと震わす様な名セリフが多いです。
2020年10月現在、23巻までが発売されておりますが、今回はそんな漫画この音とまれ!について私が選ぶ名セリフの数々を紹介させていただきます。
ネタバレを含みますので、閲覧される際はご注意下さい。
目次
この音とまれ!:名セリフ5選!
まずは私が選んだこの音とまれの名セリフ5選をランキング形式で紹介していきます。
5位:箏曲部は祖父がつくったものだから(愛)
祖父が…
ここの箏曲部は俺の祖父がつくったものだからです
祖父が大事にしていたものは俺のせいでほとんど壊れました
だから残ってるモンがあれば守りたいし
祖父が大事にしてたものがどんなものなのかちゃんと知りたいんです
だから箏曲部に入部しました引用:この音とまれ!1巻より
上級生にはめられ、武蔵を暴行したように仕組まれた愛。武蔵の登場で誤解は解けましたが、その際に愛が箏曲部に入部したい「理由」を初めて自分の口で説明するシーンです。
愛の箏への姿勢が感じられ、ここから新たに時瀬高校箏曲部がスタートします。
4位:父からの言葉(武蔵の父)
武蔵 自分で自分の価値を下げるんじゃない
お前一人しかいなかったということは
お前は一人でも部を存続させようとがんばったってことだろう
十分立派なことだ引用:この音とまれ!5巻より
部長として箏曲部を存続させ、中々日の当たらない中日々奮闘し続けた武蔵。親にさえ部長である事を黙って1人頑張っていましたが、父の口からの言葉は読者である私も嬉しくなりました。
武蔵の頑張りが認められたワンシーンだと思います。
3位:優しくなったさとわの音(愛)
優しくなったんだろ
生ぬるくなったわけでも下手になったわけでもなくて
優しい音になったんだろ
俺は初めて聴いた時のあいつの音より
今のあいつの音の方がずっと好きだけど引用:この音とまれ!7巻より
鳳月会とその家元である母親とのしがらみ。そして母を取り戻そうと必死だったさとわ。
最初は泣き叫んでいるような音色だったさとわの箏の音も時瀬高校の仲間と過ごすうちに段々と変化が…。
愛のセリフを偶然聞いてしまったさとわですが、一番言って欲しいタイミングで一番言って欲しいセリフだったと思います。
2位:大人だろうが本気で楽しめば輝ける(おっさん)
別に今からでも遅くないだろ
たとえ大人だろうが
今日のあいつらみたいに何かに全力になって本気で楽しめば同じように輝ける
そういうのを忘れて「もうできねぇ」って思い込んでる大人が多すぎるだけだ
変な話だよな 大人なんてガキの頃よりずっと自由でやろうと思えば何でも自分の責任でできちまうのに引用:この音とまれ!14巻より
個人的にグッと来た言葉です。
行動範囲も学生の頃とは比べ物にならない程広くなり、欲しい物も自分で買えるのに。青春時代が懐かしく、もう出来ないって自分で決めてしまっている。
あぁ。そうだよな…。って純粋に思わせてくれたセリフです。
1位:音楽という意味(審査員松永氏)
僕はこの学校しかないと思っていますけどね
明らかに頭一つ抜きん出ていたでしょう
“音楽”という意味で
本当に素晴らしい演奏というのは
専門家を越えてその先にいる
何も知らない素人にも届くものです
言葉も通じない文化の違う相手にでも心が届く…
そういう演奏に僕らはきちんと光をあててやるべきだと思います引用:この音とまれ!14巻より
全国予選での時瀬高校の演奏終了後の審査員松永氏のコメントですね。個人的にこのコメントが一番好きです。
音楽を含む素晴らしい芸術って言葉を交わさなくても、専門的な知識を持っていない人にも届いたりしますよね。
絵に惹き込まれたり、意味を理解出来ない洋楽に惹かれたり。
私もそんな心が震える瞬間をたくさん経験したい。そう思わせてくれたセリフでした。
この音とまれ!:アミュー先生の描写
後述しますが、他にも名セリフはたくさんあります。個人的な意見としてはアミュー先生の魅せ方が上手いと思いました。
素人なので上手く伝えられないのですが、コマ割りを含め、絵の魅せ方とセリフが心にガツンと来たり、名シーンと名セリフが相乗効果を生んでいるというか…。
アニメで例えると名シーンとそのシーンで流れる挿入歌的な。
漫画なので当然音楽は流れませんが、脳内にセリフが流れ込んできます。
箏の演奏シーンなんかは絵と文言で伝えるのが非常に難しいと思いますが、何故か違和感が無い。
一番凄いのは読んでいて思った事を作中のキャラクターがセリフとして喋ってくれるという事が何度かありました。
正に心が奮い立った感じがします。
この音とまれ!:その他の名セリフ
愛
自信なんて目に見えねーもんにふり回されてんじゃねぇ!
見えねーんだからあるっつっときゃあるんだよ!!引用:この音とまれ!5巻より
色々な事情が重なり落ち込んでいた武蔵に対して愛が放ったセリフ。
正直カッコイイと思いました。自分の気持ちに真っ直ぐな愛だからこそのセリフかもしれませんね。
滝浪先生
音やリズムは目に見えない
だから分かりにくい
だったら今のこのイメージを頭に焼きつけろ
そんで体に叩き込め
音とリズムが体に入ったらもうお前のもんだ引用:この音とまれ!6巻より
これまで特に関与せず傍観していた顧問の滝浪先生のセリフです。
初めて自分から箏曲部に関わろうとした瞬間で、ただ者じゃない事が分かります。一体何者なのかとワクワクしました。
滝浪先生
この曲の中にメトロノームの音は無い
曲ン中に無い音に必死に合わせようとすんな
互いの音に合わせろ それが合奏だ引用:この音とまれ!11巻より
途中からの滝浪先生の「音楽」に対しての指導がホントに凄いです。
読者である私も滝浪先生が時瀬高校箏曲部の顧問で良かったと心から思いました。
木下
私ももっとちゃんとがんばればよかった
きっと私にだってやれることは沢山あった…!
(どうして終わってから気づくんだろう…)引用:この音とまれ!14巻より
全国予選を終えた後の木下(他校の女生徒)のセリフ。
事の顛末に対しての後悔。大人になってからも後悔は付いてまわる。
改めて「後悔」に対して考えさせられたセリフでした。
百谷
…無音…ですかね
…というか…音が消えた瞬間とか次の音の前のタメとか
音符と音符の間 楽譜に何も書かれていない部分の音楽
俺はそこに一番色気を感じます引用:この音とまれ!22巻より
武蔵や愛たちの課題だった色気のある音とは何か。
新入部員で音楽の経験がある百谷の色気に対する考え方。
音楽って本当に広く、深い。
音楽経験の無い私は音の無い部分の音楽なんて考えた事も無かった。
さいごに
ここで紹介させていただいた私の個人的名セリフ集はほんの一部です。期間限定で無料で読む事も出来るので是非この作品に触れて欲しい。
音楽に対して無知でド素人な私にも響くシーンが多く、「あぁ。いいな。」と心から思える作品でした。
同時に箏に触れてみたい思いが湧いてきます(笑)
和楽器って昔から興味があったんですが、触れる機会がまずありません。
箏や三味線に触れてみたいな。でも大人になった今からやっても遅いよな。と思ってしまう自分がいて、でも作中のセリフが「もうできねぇ」って思い込んでる大人が多すぎるだけだとそれを許してくれない。
あぁ…。いいな。
ちなみに先日、アニメ版のこの音とまれ!も観終わりました。良い原作からのアニメ化ってどこか敬遠しがちなんですが、本作品に関してはイメージを崩される事も無く、箏という「音楽」がテーマなだけあって実際の演奏が聴けるのは非常に良かったです。
今後の展開も目が離せません。